美女と吸血鬼 #13

ストーリー

第13話「謝罪と警告」

公園でのやり取りの後、サヤカはミアの家にやって来た…

サヤカ「…と、いうわけでこの吸血鬼さんを連れてきたのよ」

カレブ「やあ、よろしくね。ミアちゃん」
ミア「お会いできてうれしいです!こちらこそ!」

ミア「…それで?」

ミア「なんでハミちゃんもここにいるわけ??」

ハミルトン「…」

サヤカ「なんか『どうしても行きたい』って聞かなかったのよ。あまりにしつこいからさ」
ミア「…」

ハミルトン「…ミア!!」
ミア「な…なによ…?」

ハミルトン「すまなかった!!!!」
ミア「!!?」
サヤカ「(まさかのコモレビ流謝罪!??)」

ハミルトン「俺…今までミアと付き合っていたのに、何もお前のことを理解していなかった…」

ハミルトン「サヤカから全部聞かせてもらったよ…お前がどれだけ吸血鬼、いや…ヴァンパイアに興味があって、愛情があって、知識も詰め込んでヴァンパイアを知ろうとしていたこと…」

ハミルトン「それなのに俺は、あの時何も知らずに否定してしまった。ミアの意見も聞かずに…。
そこにいるカレブに出会って気づいたよ、すべてのヴァンパイアが悪い奴じゃないんだって…」

ハミルトン「あの時は、本当にごめん。それだけ、ちゃんと伝えたかった…」
ミア「…」

席を立ち、ハミルトンのもとに歩み寄るミア。
ミア「…ハミちゃん。…顔を上げて?」

ミア「私も…本当に頑固だったわ。知ってたの。あなたが、私を心配してくれてるんだって。本音は嬉しかったのよ…」

ミア「でも、それと同時にハミちゃんにも知っても欲しかった。周りの噂とか、意見だけが真実じゃない。ヴァンパイアにも、良い人はいるんだってこと。人間に好意的な人もいるんだってこと…」

ミア「でも結局、感情に任せちゃって仲直りのタイミングを失っちゃった。…ごめんなさい。そして、ちゃんと言葉にして謝ってくれて、きっかけを作ってくれて、ありがとう。」
ハミルトン「…ミア…」

ハミルトン「…俺たち、もう一度…やり直せない…かな…?」

ミア「…」

ハミルトン「…ミア??」

ミア「…ごめんなさい、ハミちゃん。…私、気づいてしまったの」
ハミルトン「…」

ミア「ハミちゃんと比べても、過ごした時間は短いはずなのに…」

ミア「あのヴァンパイアさん…カイルのことを…考えちゃうの」

ミア「友達とかだからじゃない…この気持ちはたぶん、私…好きなんだと思う。彼のことを」

ミア「…だから…ハミちゃんとはやり直せない。この気持ちに…ウソはつけないわ」
ハミルトン「…」

カレブ「…運命とは不思議なもんだよね。ミアちゃん、多分だけど…」

~カレブの回想~
カレブ「あの娘のこと、本当はどう思ってるの??」
カイル「…」

カイル「…分からない。分からないんだ。でもあの娘は、俺の目をしっかり見て、俺の気持ちに共感してくれて…俺に寄り添ってくれる…愛情を感じる。…ほかに、そんな奴は今まで会ったことがない…」

カイル「…これが…『恋』…なのか??」

カレブ「…いや…やっぱり、なんでもない」
ミア「??」

サヤカ「…ミア、私は…」

サヤカ「あのヴァンパイアとは、距離を置いて欲しい

サヤカ「…これは、今までの発言とは違う。私も気づいた。すべてのヴァンパイアが悪いわけじゃない。優しいヴァンパイアも、人間に友好的なやつもいる。見かけで判断してはダメだって。パパと喧嘩をして思った。内面を見なきゃって。だけどね…ミア、ヴァンパイアが人間にとって脅威的な存在なのは間違いないのよ。その危険性はカレブから聞いた」

サヤカ「優しい心も持つヴァンパイアは、ほんの一握りなの。たまたまミアの前に優しいヴァンパイアが現れただけ。そしてどんなに優しい彼らでも、何かふとしたきっかけで凶暴化したり、人を襲ったりする…そういう生き物なの」

サヤカ「私は…あんたが心配なの。ミアに傷ついて欲しくないの!」

ミア「…だからって…せっかく仲良くなれたのに、交流を断ち切れって言うの?このまま何も言わずに…」

ミア「私の感じているこの感情は?カイルに対する気持ちを全部忘れて、何事もなく平和に暮らせというの…?自分の感情に噓をつき続けて…」
サヤカ「いや…それは…」

急に立ち上がるミア。

サヤカ「ミ…ミア??」

ミア「ごめんなさい、ちょっと、夜風に当たってくる」
ハミルトン「み、ミア…もう遅い。外は…」
ミア「すぐに戻るから…ごめん、1人にさせて」
ハミルトン「…」

サヤカ「(ミア…)」

夜の公園に秋の夜風が吹き抜ける。

ミア「…」

ミア「(私だって分かってる…分かっているのに…)」

ミア「(人間と、ヴァンパイアが共存できる道…わたしはどうしても…諦めたくない…なにかあるはず…)」

ミアに向かって一人の男が歩いてくる。

???「こんなところで何してるんだ?」
ミア「??」

ミア「!!」

ミア「か…」

ミア「カイル…!!!」

ミア「どこで何をしていたの!?」

ミア「ずっと…会いたかった…!」

ミア「わたし…」

ミア「あなたに伝えることが…!!」

ミア「!??」

ミア「か…カイル??」

ミア「あなたの目って…」

ミア「…そんな…色だった…??」

???「ちっ…」

???「これだから勘のいい人間のガキは嫌ぇなんだよなあ…」

???「まあいい、どうせ人間の小娘には何もできやしない…」
ミア「か…カイル…」

???「さあおいで。連れってあげるよ…お前の大好きな…」

???「吸血鬼の世界へな!!!

ミア「!!!

To Be Continued…

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