#3「血と友情の契約」
ミア「本当にごめんなさい…」
ミア「私がお留守にしていたばっかりに…」
サヤカ「…」
カイル「…」
サヤカ「ていうかなんでこの家に吸血鬼がいるのよ!!しかも男の!!」
カイル「お…俺だって好きでこの場所に来たんじゃないさ…」
サヤカ「ウソね、絶対女目当てでしょ!おとぎ話でも大抵吸血鬼はスケベな奴ばっかりなのよ!!」
カイル「ち、違う…!!断じて違う!!」
ミア「ね、ねえサヤカ。せっかくヴァンパイアさんが会いに来てくれたんだしさ、せっかくだから…」
サヤカ「『会いに来てくれた』んじゃなくて『アンタを襲いに来た』のよっ!!」
サヤカ「だいたいミアもミアよ!吸血鬼の介抱しておまけに服も洗ってあげるとかどこまでお人好しなのよ!!」
ミア「だってぇ~、服汚れてたんだもん。可愛そうじゃん…」
サヤカ「とにかくこいつの身動きが取れない間に警察に突き出さないと…」
カイル「ちょ、ちょっと待ってくれ!!それだけは勘弁してくれ…!!」
ミア「でもさ、このヴァンパイアさん私に危害は加えてないから警察に言っても聞いてくれないと思うよ」
サヤカ「立派な住居侵入罪じゃない、これ」
ミア「いや、そうだけどぉ~💦」
ミア「ヴァンパイアさん。私ね、小さい頃からヴァンパイアさんに会うのが夢だったの」
ミア「どんな形であれ、私はあなたに会えてとっても嬉しいの。だからね…」
ミア「私のお友達になってほしいの」
カイル「はぁ!?」
サヤカ「(はあ…この子はまた変なことを…)」
ミア「だってこうやって出会えたのも奇跡でしょ?ずっとヴァンパイアさんに会いたかったから、友達になったら、もっといろんなことをお話しできるじゃない✨」
カイル「(な…何を言っているんだ??この人間の女…)」
ミア「だから…」
ミア「吸って。私の血」
カイル&サヤカ「…!?」
ミア「リスクがあるのは分かってる。でもお互い様でしょ?私は血を吸われる代わりにヴァンパイアさんと友達になれる。あなたは人間と関りを持つ代わりに血を吸うことができる」
ミア「これは取引よ。血と友情をかけた人間と吸血鬼の取引」
ミア「推測だけど、多分あなたは昨日中に人間の血を吸わないといけない理由があったんじゃないかな?さっきも『好きで此処に来たわけじゃない』って言ってたし。でもすでに陽は登ってるから絶体絶命よね」
ミア「さあどうする?背高のっぽのヴァンパイアさん?」
カイル「…。…それでも、断るって言ったら…??」
ミア「う~ん、そうだなぁ~…」
ミア「『住居侵入罪』で警察に突き出す♡」
カイル「わ…わかったよ!!取引に乗ればいいんだろ!?」
ミア「やったぁ~!!✨」
サヤカ「(この子、バカなのか賢いのかわからないわ…)」
こうして、ミアとカイルは友情を結ぶこととなった。
To be continued…
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