#10「愛、という名の契約」
ミア「ごめんね。急に呼び出しちゃったりして…」
ミア「でも、カイルが新鮮なブラッドフルーツ持ってきてくれたおかげで美味しいブラッドフルーツサラダが作れたね♪」
カイル「…こんな料理があるなんて知らなかった」
カイル「これなら俺でも食べられる…」
ミア「でしょ!私のオリジナルレシピ!お家でも簡単に作れるから!」
…
ミア「…カイルはさ、」
カイル「…おう」
ミア「人間の血を吸うことって、悪いことだと思う?」
カイル「…」
カイル「え…なんだよ急に!?💦」
ミア「え…あ、うん…」
ミア「世の中には、やっぱり悪い吸血鬼さんもいるでしょ?…でもその『悪い』っていう概念は、…その人や吸血鬼さんで違うのかなって思って…」
カイル「…」
ミア「えへ、ごめんね!今のことは忘れて!あたし、お皿洗ってくる」
カイル「お、おう…」
カイル「…」
カイル「(…考えたこともなかった…)」
カイル「(吸血鬼として生きてきて、俺はマスターに育てられ、そして彼の言うとおりに動いてきた…。人間を狙うこと…人間の血を確保すること…)」
カイル「その行為が果たして善になるのか、悪になるのかなんて、俺には関係なかった。でも…」
カイル「でも…人間の血を吸ったときに…心地よいと思ったことはない」
カイル「人間を嫌い、血を吸う行為をまるで人間狩りのように考えてる奴もいれば、」
カイル「何も考えず、本能的に楽しむ奴もいる…」
カイル「…俺は…どう思ってるんだろう…」
カイル「知らないうちに…彼女を傷つけたりしてるのか…?」
カイル「…俺は…何がしたいんだ…?」
…
マリオン「…」
…
カイル「(すっかり遅くなってしまった…)」
カイル「(どうか…怪しまれませんようn…)」
マリオン「おかえり」
カイル「!?」
マリオン「ちょっと話があるんだけど」
カイル「え…俺のことかな…?」
マリオン「他に誰がいるのよ」
…
マリオン「アンタいったいどういうつもりなのよ!?」
マリオン「最近やけに外周が多いなと思ったら…!」
マリオン「人間の、しかも女の子と交流深めてましたってオチ!?」
マリオン「アンタ自分の立場分ってんの!?泣く子も黙る孤高の吸血鬼よ!?」
カイル「立場は分かってる…でもこれには訳があって…」
マリオン「いい訳なんて聞きたくないわよ!!」
マリオン「ヴラド様が知ったらなんて言うでしょうね!?階位剝奪どころじゃすまないかも!」
カイル「え…ちょ…!!」
カイル「頼む…!ヴラド様にだけは内密にしてくれ…!!でないと俺…」
マリオン「こんなことほっとけないわよ」
カイル「お願いだ…!お前のためなら何でもするから…!!」
マリオン「…」
マリオン「…じゃあ、条件をあげるわ…」
マリオン「私の恋人になりなさい」
カイル「は…はい??」
マリオン「もう気づいてるんでしょう??私があなたのことを好きだってこと」
マリオン「私は幾度となくあなたにアプローチしてきた。…それなのにあなたはいつも気づかないフリ…」
マリオン「いっそ振ってくれたらいいものを…私の気持ち考えたことある?どんだけ傷ついてきたか…」
カイル「…」
マリオン「これは契約よ。愛という名の、あなたの吸血鬼生がかかった契約…」
マリオン「どうする?契約するの?しないの?」
カイル「…」
カイル「契約…し…ます…」
To be continued…
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